
こども形成外科
こども形成外科
形成外科は、怪我・やけどの治療はもとより、生まれながらの異常(変形、欠損)、病気などで生じた整容面の不満足に対して、外科的に見た目や機能を改善(治療)する診療科です。体表面を中心に、頭から足の先まで全身を治療対象としています。こども形成外科では、口唇口蓋裂、多指症、小耳症などの生まれつきの異常に対する形成手術や成長過程で現れる体の形や皮膚の異常の治療を行います。おとなと比べて、こどもの身体は日々成長し続けており、ただ治すだけでなく「将来を見据えた治療」が求められます。
当科では、保護者の方と十分に相談しながら、年齢や発育段階に応じた最適な治療を行い、「その子らしさ」を大切にした医療を提供しています。ただ治療をするだけでなく、お子さまの機能面・整容面(見た目)・心理面をバランスよく考慮しながら様々な治療を行っております。
こどもの形成外科では、以下のような病気やご相談が多く寄せられます。
症状の種類や程度によっては、他科(小児科、耳鼻科、眼科など)と連携して治療を進めます。
「赤いあざがある」「色の濃いあざが広がってきた」
このようなこどものあざ(血管腫・母斑など)は、見た目だけでなく、成長や機能に影響を与えることがあります。
あざの種類 | 特徴 | 対応 |
---|---|---|
乳児血管腫(いちご状血管腫) | 赤くふくらみのあるあざ。多くは生後すぐに出現 | 成長とともに自然に小さくなるが、残存する可能性あり。退縮しても萎縮性瘢痕という傷跡が残る。状態に応じてレーザー治療や薬物治療を行う。 |
毛細血管奇形(単純性血管腫) | 赤い平坦なあざ。出生時より認める。 | 場所、濃さに応じてレーザー治療を行う。早期に開始したほうが消退効果が高い為、できるだけ早く診断し治療開始することが望ましい。 |
太田母斑、遅発性太田母斑 | 幼少期より認める顔面の青あざ。思春期以降に認めることもある。 | 早期にレーザー治療を開始する。治療効果は出やすいが再発の可能性があるため比較的長期に経過観察が必要となる。 |
異所性蒙古斑 | おしり以外の体(背中、手足等)に認める青あざ。 | 経過とともに薄くなるが、濃い場合は残存する。場所と濃さに応じてレーザー治療を行う。 |
あざの治療は「ただ消す」だけではなく、機能的な問題・整容的な配慮・心理的な影響を考慮しながら方針を決めます。
治療法には以下のようなものがあります。
当院では、お子さま一人ひとりの状態を丁寧に診察し、必要に応じて複数の方法を組み合わせた治療をご提案しています。
「このまま様子を見ていいのか不安…」
「成長とともにどうなるの?」
「学校や友達との関わりに影響はある?」
当院ではそんな保護者の皆様の思いに、私たちは真摯に寄り添います。
小児形成外科では、お子さまの成長と未来に配慮した「長い目での治療計画」がとても重要です。
診察や治療の場では、わかりやすい説明と心のケアも心がけています。
気になる症状があれば、まずはお気軽にご相談ください。
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