
あざ
あざ
あざには生まれつき(先天性)のものと、成長に伴って出現する(後天性)のものがあります。色や形、大きさ、部位、そして出現時期によってその種類はさまざまで、それぞれに適切な診断と治療が必要です。
見た目の印象に強く影響するため、特に顔や目立つ部位にあざがある方にとっては、日常生活や対人関係におけるお悩みにもつながりやすい症状です。当院では、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な診療と治療を行っています。
あざは、大きく分けて「色素性のあざ(メラニン由来)」と「血管性のあざ(血管由来)」の2種類があります。
青あざ
太田母斑(おおたぼはん)、遅発性太田母斑(ADM)
主に顔(特に目の周囲や額、頬)に見られ、灰青色〜青紫色をしています。思春期以降に濃くなることもあります。
異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)
本来は乳児期の背中や腰にできる蒙古斑が、お尻以外の部位(腕、脚、顔など)に現れる状態です。通常の蒙古斑と違い、自然に消えにくい場合があります。
茶あざ
扁平母斑(へんぺいぼはん)
境界がはっきりとした淡褐色のあざで、出生時からある場合がほとんどで、体の成長に応じて目立つようになります。多発している場合は神経疾患を合併している可能性があり、注意が必要です。
黒あざ
色素性母斑(しきそせいぼはん)
いわゆる「ほくろ」と呼ばれるもので、隆起のあるものや、毛が生えているものも含まれます。大きく広がるものは「巨大色素性母斑」と呼ばれ、将来的に皮膚がん化するリスクも指摘されているため、経過観察または切除が検討されます。切除後の傷跡が問題となることが多いため、治療法には慎重な選択が必要です。
赤あざ
乳児血管腫(苺状血管腫)
生まれつきある赤く盛り上がった毛細血管の塊で、生後半年ごろより急速に大きくなります。1歳ごろをピークに自然に縮小することが多いですが、膨らみが残ったり傷跡が問題となることがあります(萎縮性瘢痕)。まぶた、鼻、耳、のどなどにある場合は増大によって深刻な障害をきたすことがあり、早期に治療を行って拡大を防ぐ治療が必要となります(へマンジオルシロップ内服)。経過観察かレーザー治療を行いますが、残っている病変や傷跡に対して手術を行うことがあります。
毛細血管奇形(単純性血管腫)
生まれた直後から皮膚に赤色の平坦なあざとして現れます。特に額やまぶた、首などにできることが多く、色は赤〜紫色。自然に薄くなることは少なく、徐々に色が濃くなります。顔面では盛り上がってくることが多く、整容面で深刻な問題をきたすことがあります。年齢を重ねるごとに治療が難しくなるため、早期(生後3ヶ月程度)よりレーザーによる治療が有効です。治療を重ねても赤みが完全に消えることはほとんどありませんが、適切な治療で日常生活に問題のないレベルまで改善することは可能です。
大人の場合、あざが目立ってきた・濃くなってきたといったお悩みが多く寄せられます。これは、加齢やホルモンバランスの変化、紫外線によるダメージの蓄積によって、メラニン産生細胞が活性化したり、血管の変化が進んだりすることが関係しています。
特に女性では、妊娠や更年期のタイミングで、目の周囲や頬に茶色や灰色の色素斑が目立つようになるケースもあります。
また、大人になってから出現する青あざや赤あざもあり、これらは後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)や毛細血管拡張症などが代表的です。
新生児や乳児のあざは、出生直後から認められることが多く、親御さんにとっては大きな心配の種となります。多くの蒙古斑は時間をかけて自然に消えますが、顔や腕などにできた「異所性蒙古斑」は消えにくく、色が濃く範囲が広い場合はレーザー治療を検討します。赤あざの中でも、乳児血管腫は皮膚の変形や増大による視力・呼吸障害につながることもあり、早期の治療が重要です。
当院では、年齢や成長の過程、あざの部位や広がりを丁寧に評価し、必要な治療と経過観察を行います。
メラニンやヘモグロビンに吸収される特定の波長のレーザーを使い、あざの原因となる色素や血管にピンポイントで作用します。治療は1回で終わらず、複数回(3〜10回以上)の施術が必要になることがあります。痛みは軽度ですが(ゴムで弾かれる程度)、広範囲の場合や痛みに弱い場合、冷却や麻酔クリームなどで対応いたします。
巨大な色素性母斑は外科的に切除を行い、悪性でないか検査をします。傷あとが目立ちにくくなるよう丁寧に縫合し、術後の傷跡や再発について経過観察を行います(3ヶ月〜1年程度)
治療前後の遮光対策によって、レーザーの効果を高くし、色素沈着などの合併症を減らすように適切な指導を行います。
あざの種類や状態によって、保険適用となる場合と自由診療となる場合があります。診察時にご説明いたします。
治療後に赤み・軽度の腫れ・かさぶたができることがありますが、多くは数日〜1週間以内に改善します。水ぶくれになったり傷ができることもありますが、多くは軟膏で治療することで目立たなくなります。炎症による色素沈着が起きた場合、自然に薄くなるまで追加でレーザー治療は行わず、処方をして経過観察をします。
あざは単なる“色”の変化ではなく、見た目・精神的負担・健康面にも影響する症状です。これまで治療をあきらめていた方も、ぜひ一度ご相談ください。
お子さまのあざで不安を感じている保護者の方、長年気になっている大人の方も、当院では専門的かつ親身な診療を行っております。
当院では最新のレーザー機器を数多く揃えており、痛みの少ない、迅速な治療が可能となっております。
ご予約・お問い合わせは【クリニック案内】のページからお気軽にどうぞ。
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