
できもの
できもの
ほくろは良性腫瘍の一種で、表皮にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まり、黒色斑になります。隆起したもの、平らなもの、毛が生えているものなど様々です。生まれつき皮膚の広範に色素性母斑がみとめられるものは、巨大色素性母斑と呼ばれます。
一般的ないぼは足の裏に多く、免疫力低下により粘膜がウイルスに感染して生じるといわれています。顔や首などに出現する老人性のいぼ(老人性ゆうぜい)から足の裏にできるいぼ(尋常性ゆうぜい)まで種類も様々です。治療は電気やレーザーで全体を焼き取る方法や、メスなどを使用してくり抜く方法が一般的です。
ほくろやいぼは、成長とともに目立ってきたり、日常生活で引っかかりやすくなったりすることがあります。特に顔や手足など目立つ部位にある場合は、見た目の問題や本人の心理的負担も大きくなることがあります。小児期のほくろの中には、将来的に切除したほうがよいと判断されるものもあるため、早期に医師の診察を受けて経過を確認することが大切です。
いぼの治療は、お子さまの年齢や生活環境、いぼの大きさ・数に応じて最適な方法をご提案いたします。痛みを伴う処置が必要な場合には、麻酔の工夫や精神的な配慮を行いながら、お子さまにとってできるだけ負担の少ない治療を心がけています。
表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた固まりが粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうとして圧迫すると、袋が破れて脂肪組織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
粉瘤はお子さまにも発生することがあり、特に思春期以降に皮脂腺が活発になることで目立ってくることがあります。感染して赤く腫れたり、痛みを伴ったりする場合には、切開して膿を出す処置や、炎症が落ち着いてからの根治手術が必要になることもあります。再発を防ぐためには「袋ごと完全に取り除く」ことが重要です。当院では、お子さまの皮膚や年齢に配慮しながら、できる限り目立たない傷になるように工夫して手術を行っています。少しでもしこりや腫れに気づかれた際は、お早めの受診をおすすめいたします。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。20歳以下には発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、大腿など四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による脂肪腫の摘出で、再発することはまれです。
脂肪腫は成人に多くみられる腫瘍ですが、まれに小児にも発症することがあります。お子さまの場合、成長とともに腫瘍も少しずつ大きくなることがあり、衣服に擦れて痛みを感じたり、見た目が気になってしまったりすることがあります。
良性腫瘍ではありますが、まれに脂肪肉腫などの悪性との鑑別が必要な場合もありますので、急激に大きくなったり、硬さや色調の変化がある場合には、精密検査を行うことがあります。外科的な摘出手術は比較的安全で再発も少ないため、症状や部位に応じて最適なタイミングでの治療をご提案いたします。
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